「100ページのPDFを1枚ずつスクショ?」そんな非効率から解放された話AIを使い始めていくと割と初期の段階でつまづくケースで多いのが、資料のテキストデータ化です。社内資料や参考文献をRAG機能のためにテキストデータ化したいと思っていた時に、PDFファイルからそのままテキスト抽出できないケースが多くて困っていました。最初は愚直にスクリーンショットを1枚1枚撮って文字起こしをしていたんですが、100ページもあるような資料だと「これ、すごく非効率だな...」と憂鬱になる毎日。そんな時、ObsidianとCursorを組み合わせた知識データベース構築に興味を持ったのがきっかけで、「じゃあついでに、PDF自動画像変換ツールもCursorで作ってみよう」と思い立ちました。プログラミング初心者の私が、AIコーディングアシスタントのCursorと一緒に挑戦した実体験をお話しします。※文字起こしについてはセキュリティ観点もあり、exa-baseのGemini2.5 Flash Economyを使用しています。Economyは料金かからないのと性能的にも十分です。どんなツールを作ったのか基本機能:シンプルで実用的作成したのは、PDFファイルをページごとに画像化し、ZIPファイルで一括ダウンロードできるWebアプリケーションです。主な機能:PDFファイルのアップロード(ドラッグ&ドロップ対応)各ページを高品質PNG画像に自動変換ZIPファイルで一括ダウンロード自動ファイルクリーンアップ技術的には、PythonのFlaskフレームワークを使用し、pdf2imageライブラリでPDF処理を行っています。ブラウザでhttp://localhost〜にアクセスするだけで使える、シンプルな構成です。Cursorと一緒に開発してみた感想思っていたより全然簡単だった正直、プログラミング経験がほとんどない私には「Webアプリなんて作れるの?」という不安がありました。でも、Cursorの細かいサポートのおかげで、想像以上に簡単に進められました。Cursorの優れている点:安心感のある対話:エラーが出ても「おそらくこうですよね」と的確な解決策を提案コード生成の精度:必要な機能を説明するだけで、動作するコードを生成デバッグサポート:エラーの原因と対処法を分かりやすく説明苦労した点もあったもちろん、すべてが順調だったわけではありません。つまずいたポイント:生成されたコードがすぐには動かないことが多いmacOSのターミナル操作に慣れていない何度もエラーが発生して「何が原因?」状態でも、これらの問題もCursorに「どうしてうまくいかないのか」と相談すれば、「こういうコマンドを打ちましょう」「このように修正しましょう」と頼もしい回答をくれました。ObsidianとCursorの組み合わせが最高だった今回の開発で特に良かったのは、ObsidianとCursorを掛け合わせて使うことでした。流行っているだけあって、本当に使いやすい組み合わせです。開発中のメモやトラブルシューティングをObsidianで管理し、実際のコーディングはCursorで行う。この記事もCursorで書いているので、一貫した環境で作業できるのが素晴らしいですね。驚きの業務効率化効果90%以上の時間短縮を実現実際に50ページ分のPDFで試してみたところ、効果は歴然でした。Before(手動スクリーンショット):1ページあたり約6-12秒(地味に範囲間違いなども)50ページで5-10分程度集中力も必要で疲れるAfter(自動変換ツール):ファイルをアップロードするだけ処理時間は数秒他の作業をしながら待てる結果:90%以上の時間短縮を実現しました。これまでスクリーンショット作業に費やしていた時間を、より重要な分析や考察に使えるようになったのが最大の収穫です。いくつもの資料をデータ化することを考えると、数分の短縮がすごく大きな効率化につながります。中小企業の自動化への第一歩「AIツールは難しい」という先入観を破る今回の体験で強く感じたのは、AIを活用した業務自動化は思っているより簡単だということです。中小企業では「プログラミングなんて無理」「AIツールは大企業のもの」と考えがちですが、Cursorのようなツールがあれば、専門知識がなくても実用的なツールを作ることができます。他の業務にも応用可能PDF変換以外にも、様々な業務で応用できそうです:データ処理の自動化:Excel作業の効率化レポート生成:定型業務の自動化顧客対応:FAQの自動生成「試してみたい」と思ったあなたへまずは小さく始めよういきなり複雑なシステムを作る必要はありません。今回の私のように、「毎日の小さな困りごと」から始めてみてください。おすすめの始め方:身近な業務の中で「面倒だな」と思うことを洗い出すCursorをインストールして簡単な質問から始めるObsidianでメモやTodoを管理しながら進める完璧を求めず、70点でも動くものを作るセキュリティも考慮して今回作ったツールはローカル環境で動作するため、機密情報も安心して処理できます。ただし、外部アクセスの制限やファイル管理など、基本的なセキュリティ対策は必要です。AIと一緒に働く時代の始まり半年前の私は「プログラミングなんて絶対無理」と思っていました。でもCursorと出会って、AIと一緒に働くことの可能性を実感しています。重要なのは、AIに全てを任せるのではなく、人間とAIが協力して価値を生み出すこと。私が業務の課題を整理し、Cursorが技術的な実装をサポートする。この役割分担がうまく機能したからこそ、短期間で実用的なツールを作ることができました。もしあなたも「業務を効率化したいけど、技術的な知識がない」と悩んでいるなら、ぜひCursorを試してみてください。きっと「こんなことができるの?」という驚きと、「自分でも作れた!」という達成感を味わえるはずです。明日からの業務が、もっと効率的で楽しいものになりますよ!今回使用したツールCursor:AIコーディングアシスタント。プログラミング初心者でも安心Obsidian:知識管理ツール。開発メモやドキュメント管理に最適Flask:Pythonの軽量Webフレームワーク開発のポイント完璧を求めず、まずは動くものを作るエラーを恐れず、Cursorに相談しながら進める小さな業務改善から始めて、徐々に拡張していくセキュリティを考慮したローカル環境での運用#ライターの紹介-横内 圭介(Musubi Inc.):調査・分析、戦略〜施策の立案と実行まで担当略歴 ##略歴"""-総合商社にて、主に製造業を中心としたマーケティング・営業を担当。15年以上に亘り、国内外メーカーの海外進出支援や営業・マーケティング戦略の立案から実行までを行う。2015年にMusubi Inc.を設立してから全く畑の違うブランディングの業務に従事。製造、建設、サービス、銀行、飲食、ホテル、運送、流通、リサイクルなど多くの業界を担当し、様々な領域の課題可決をコンサルタントとして担当している。ここ1年ほど様々なAIツールに触れ自身の業務効率が格段に上がったことから、兼業でブランディングやマーケティング業務を担われている方などに向けて情報発信できたらなと考えています。兼業でなかなか時間が割けない=ブランディング・マーケティング活動ができないといった方々に少しでも役に立てればと思っています。"""