概要株式会社三井不動産ホテルマネジメント様からのご依頼でミッション制作とWEBサイト制作を担当させていただきました。ご依頼の背景や課題については機密のため今回の実績紹介では伏せさせていただきます。・ビジョン(こころに残るホテルになる。→すでに存在している)・ミッション(ここが不在)・行動指針(すでに存在している)状態からのスタートでした。実施内容:ミッションの構築と浸透戦略の検証①まずはプロジェクト主要メンバーへのヒアリング。そもそものミッション構築に至った背景や懸念点、注意事項など事細かくヒアリングをしていきました。特に今回のケースでは『らしさ』という概念にフォーカスさせれていたため、『らしさ』とはなにか?について徹底に議論し、『らしさ』の定義に時間を使わせていただきました。また、その後の浸透フェーズも見越し、プロジェクト自体をどう進めるべきかの議論にも時間を使いました。②現場への徹底したインタビュー。私自身の業界・お客様社内の理解、メンバーのプロジェクトへの理解も深まったところから、約40名へのインタビューをスタートさせていきました。現場が考える・感じる『三井不動産ホテルマネジメント』の芯はどこにあるのか、その要素を細かく分解・分析していきました。③ミッションの構築。分解した要素とその分析結果を共有、ミッションのもとになる『らしさ』について議論を深めていきました。それと同時に、要素を分析したことにより浸透フェーズの懸念点なども出てきたため、そちらも合わせて議論をしていきました。④ミッションの承認。様々な議論を経て構築されたミッションを代表取締役も含めプロジェクトメンバーで協議し、最終的に経営会議で採択されることになりました。※ミッション=『私たちの志』となり、最終的に画像の形態になりました。⑤各ホテルへのミッション共有とプロジェクト背景の共有。本プロジェクトの背景とミッション構築経緯と結果を各ホテル責任者の方々に共有。こちらについてはプロジェクトメンバー主導で行っています。弊社はアドバイザリーとして参加させていただきました。最後に最初はプロジェクト自体に懐疑的な方々もいました。しかし、ことの背景や目的などを丁寧に説明すること(個別に!これ大事です。)、伝えるだけではなく現場の声もしっかり聞くこと、たったそれだけのことでも人の意識は変わることがあります。見方は違えど同じような課題感や危機感を持っていることは少なくありません。相手にも分かるように説明すること、相手が何を考えているのか・感じているのかしっかり聞くこと。これが理念を浸透させていく上で一番重要なポイントだと考えています。理念浸透のイベント開催やクリエイティブ制作に落とし込むような話しはよく聞きますが、対話を疎かにした場合ほぼ反感しか買いません。面倒かもしれませんが、一番の近道だと考えて欲しいです。その後WEBサイト制作もご依頼いただくことになったため、コードマークの今成さんと制作を担当させていただきました。私はプロジェクトマネジメント全般、今成さんにはアートディレクション・デザイン全般を担当していただきました。以下今成さん談三井不動産ホテルマネジメントは、三つのホテルブランドを運営する企業です。本案件は純粋にデザインをリファインするという、シンプルで一般的なオーダーでした。三井不動産グループのような大手企業では、当然、明確なブランドレギュレーションが定められています。しかし、同社のウェブサイトでは、そのレギュレーションが十分に反映されているとは言えなかった為、弊所では、ブランドレギュレーションを遵守しながらも、業界特有のトーンに合わせたサイトデザインにすべきと提案。デザインを見る前は、イメージが湧かなかったようですが、デザインを示すとすぐにご納得いただけました。ブランドのレギュレーションを反映しつつ、業界特有のトーンに調和させることは、技術さえあれば決して難しいことではありません。企業を個別に捉えるのではなく、グループ全体の方針を反映させてデザインを考えることは、コーポレートブランディングにおいて非常に重要です。どんなに一般的なオーダーであっても、弊所ではそのブランドが置かれている状況を考慮し、デザイン提案を行っています。主要プロジェクトメンバー横内 圭介(Musubi Inc.):調査・分析、プロジェクトマネジメントと実装まで担当総合商社にて、主に製造業を中心としたマーケティング・営業を担当。15年以上に亘り、国内外メーカーの海外進出支援や営業・マーケティング戦略の立案から実行までを行う。2015年にMusubi Inc.を設立してから全く畑の違うブランディングの業務に従事。製造、建設、サービス、銀行、飲食、ホテル、運送、流通、リサイクルなど多くの業界を担当し、様々な領域の課題可決をコンサルタントとして担当している。2.今成 真也(chordmark):アートディレクションおよびデザインを担当都内デザイン事務所にアシスタントデザイナーとして入社後、ロジックもなく、ただ作るだけのデザインの現場と下請け気質のデザイン業界の現実に疑問を覚え、2008年、見聞を広げる為渡英。 かねてより、日本企業の統一性にかけたイメージ戦略に疑問を覚えていたため、ロンドンのブランディングデザインの素晴らしさに感動しながら、フリーランスデザイナーとして活動。帰国後、ベンチャー企業のブランディングをインハウスデザイナーとして担当。その後、クライアントと深くしつこく、そして丁寧にじっくりと関わることをモットーにchordmarkの屋号を設け本格的に始動。現在はブランド戦略に基づいたデザインのご提案を主な事業としながら、ブランド運用に関するサポートを承っている。(一財)ブランドマネージャー認定協会、第1級資格取得者。